数理最適化研究室

小林研究室の研究分野 数理工学の研究を行っています.数理最適化におけるアルゴリズムの開発と,そのコンピュータへの実装を行っています.また,今後発展の可能性のある新しい分野にも積極的に取り組んでいきます.数理最適化はその強力な問題解決能力から,ビジネスの様々な場面で活用されています.実務規模でその能力を発揮させるには,効率的なソフトウェアとして実装する必要があります.この研究室では,数理最適化の基盤理論から,実務規模データで動作するソフトウェア実装までを研究対象としています.具体的な研究テーマとして、(a)ロジスティクス工学、(b) 動的ネットワークとその応用、(c) 半正定値最適化問題とその応用、(d) 連続最適化の基盤的研究が挙げられます.

研究紹介

企業活動においては,施設配置,輸送計画,生産計画など,収益とコストに影響を与える計画・オペレーションがさまざま存在します.これらの活動に対して,数理最適化やシミュレーションの手法を用いてアプローチする分野を「ロジスティクス工学」と呼んでいます.この研究では,船舶スケジューリングや配送計画などロジスティクス工学で生じる最適化問題に対して,高性能なアルゴリズムの開発とソフトウェア開発を行います.さらに、開発したアルゴリズム・ソフトウェアを実験的に解析することで、その性能を評価します.  数理最適化は、様々な条件や目的を数式で表現し、目的を最小(または最大)にする計画を求める数理的手法のことを指します.線形最適化問題や最短路問題など,すでに様々な分野で用いられてきた実績のある方法と,理論的な成果によって最近実用になりつつある方法とを積極的に組み合わせることによって、新しい手法を生み出すことを目指しています.

ネットワークの数理モデルは,経路探索や関係性解析などさまざまな重要な応用をもちます.これまでのところよく用いられているのは,データが時間的には変化しない静的なモデルですが,データが時間的に変化する動的ネットワークモデルも有用です.ただし,動的ネットワークモデルは実務規模のデータを扱うには計算量が大きすぎるとされ,応用先が限られていました.ところが,近年のグラフ計算技術の高速化により,動的ネットワークモデルの応用が現実的になってきました.この研究では,自治体での避難計画策定や,時間帯によって混雑度が変化する道路ネットワーク上の運行計画など,動的ネットワークモデルの応用を研究します.

半正定値計画問題は,線形計画問題を拡張したものです.線形計画問題は,ベクトルを変数としますが,半正定値計画問題はそれを行列に拡張したものです.そのモデル化能力の高さから,「21世紀の線形計画」とよばれ,量子計算,建築,化学,制御,機械学習など,広範な領域の基盤技術となりつつあります.実務規模の問題を現実的な時間内に十分な精度で解くには,ソフトウェア実装のための様々な研究開発が必要です.この研究では,日々開拓されつつある半正定値計画の応用を題材として,それらを効率的に解く方法の開発に取り組みます.

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