
Ultra AI

Ultra AI
2018年度CAIR研究プロジェクト
【研究の目的】
現在,個人の医療情報も電子カルテ化され,非常に膨大な電子データとして継続的に蓄積され,ガスや電力などのエネルギー産業では,プラントの運転状態を把握するために,膨大なセンサ情報が継続的に蓄積されている。このような膨大なデータを人間にとって価値のある情報に計算機が効率的に変換し,その情報を基に人間が知として再び計算機に戻していくためには,そこに利用される機械学習,データ収集手法,最適化手法には次のことが求められる。
- 人間とのインタラクション(制約など)を取り込める学習アルゴリズムであること。
- ゲームなどのように人間がある目的のために作業を行っている間に,人間の有する暗黙知を獲得できるデータ収集手法であること。
- 機械学習アルゴリズムを数理モデルとして定式化し,最適解の存在,収束性を保証できること。
本研究では,これら3つの研究を通して,計算機と人間との対話的により,現状の人工知能(AI)を超える「Ultra AI」の実現可能性を検討する。特に,ここで開発される技術を,現在まで分析が中心となっており予測の視点が希薄であった「企業データ分析」に適用し,企業分析と企業の成長予測の精度を向上させる「Ultra AI」の実証を試みる。
【研究の背景】
我々はこれまで,多数のニュースの中から独立なトピック抽出し,そのトピックをユーザに提示し,提示されたトピックにユーザが満たして欲しいmerge-link, separate-linkという制約を満たしながら,独立話題分析に基づきデータの類似性とトピック間の独立性を同時に満たす対話的独立話題分析の手法を提案してきた[西垣16]。本研究では,この研究を発展させることで,計算機と人間とのインタラクションによる知の洗練に必要とされる機械学習アルゴリズムの開発,実装を目指す。また,我々はこれまで,配電柱腕金の錆画像データに対する「再利用」,「メッキ後再利用」,「廃棄」のラベル付け問題に,人間と計算機との協調作業により,効率的にラベル付けする方法を提案してきた[小野田04]。本研究では,この研究を発展することで,計算機と人間とのインタラクションによる知の洗練に必要とされる機械学習アルゴリズムの開発,実装および適用を目指す。
他の研究課題についても従来の研究成果を発展させる形で「Ultra AI」の実現を目指す。
【期待できる成果】
研究期間内に,人間とのインタラクション(制約など)を取り込める学習アルゴリズム,ゲームなどのように人間がある目的のために作業を行っている間に,人間の有する暗黙知を獲得できるデータ収集手法,機械学習アルゴリズムを数理モデルとして定式化し,最適解の存在,収束性の保証を実現し,計算機と人間との知のスパイラルによる「Ultra AI」の実現可能性を検討する。実現される核技術については,人工知能,機械学習,OR,HAI研究に関する国内国際会議で発表する。また,「Ultra AI」の実現可能性を検討については,人工知能研究に関する国内国際会議で「Ultra AI」のオーガナイズドセッションやワークショップを企画し,人工知能の研究分野にUltra AI研究の潮流を作る。
【研究室】

経営システム工学科・教授 | 小野田 崇 | 研究の総括と機械学習アルゴリズムの開発研究 |
経営システム工学科・助教 | 西垣 貴央 | 機械学習アルゴリズムの開発研究 |
経営システム工学科・博士前期課程1年 | 機械学習アルゴリズムの実験的性能評価 |

経営システム工学科・教授 | 水山 元 | ゲームを利用した知識収集の実現研究 |
経営システム工学科・博士前期課程2年 | ゲームを利用した知識収集の実験 |

経営システム工学科・教授 | 大内 紀之 | 企業データ分析と企業成長予測との融合方法の実現研究 |
経営システム工学科・助教 | 梶山 朋子 | 人間の認知負荷を考慮したHAIの研究 |
経営システム工学科・博士前期課程2年 | 企業データ分析と企業成長予測の実験 |

経営システム工学科・教授 | 宋 少秋 | 数理モデル化による学習アルゴリズムの収束性保証の研究 |
経営システム工学科・助教 | 高橋 奈津美 | 数理モデル化による学習アルゴリズムの収束性保証の研究 |
経営システム工学科・博士前期課程2年 | 数理モデル化による学習アルゴリズムの収束性実験 | |