センシング・システム工学研究室
本研究室では、様々な社会ニーズに応えるため、(i)センサ・計測システムの構築 (ii)時系列データ処理/画像データ処理 (iii)生体情報解析 (iv)システム制御 (v)インテリジェント・システムの構築 (vi)確定的モデル・確率的モデルの構築 に関する研究を行っています。これらはシステム工学を基礎としており、幅広い分野への応用を研究テーマとしています。 現在は得に、(1)健康福祉分野 (2)知識教育分野 (3)人間のスキル評価分野 (4)環境評価分野への応用研究に従事しています。研究する中で、それまで分からないことが見えてきたり、新しいセンシング技術を発見したとき、またプログラムやシステムがようやく完成したときなどは、計り知れない歓びを味わうことができます。学生のみなさんには、研究を通じて感動することをぜひ知ってほしいと思います。
研究紹介
健康福祉分野: 健康福祉分野に関する研究では、在宅環境において心拍、呼吸、体動、イビキ、咳、掻破などの生体情報を、体にセンサを設置せずに計測するセンシング技術を開発し、これらの生体情報から、睡眠段階の推定、不整脈、睡眠時無呼吸の検出、皮膚の掻破の検出などを行い健康の維持・増進に役立てる研究を行っています。また、介護支援のため、在宅環境において、高齢者の転倒や、徘徊を自動的に検出するシステムの構築なども行っています。 ・ 生体情報(心拍、呼吸、体動)の無拘束モニタリング ・ 睡眠時無呼吸の自動検知システム ・ 睡眠段階の推移確率の推定 ・ 高齢者の転倒/徘徊検知システムの構築 など 生体情報の無拘束モニタリングシステム, 睡眠時無呼吸検出, 睡眠段階の推定, 無拘束での血圧推定, 掻破時間計測システム, 嚥下機能評価システム, 高齢者の転倒検知, 蓄尿量予測システム, 広域前頭葉脳活動データを用いた不安状態の推定
人間のスキル評価分野: 人間のスキル評価システムの構築では、歩行、ランニング、スポーツなどを含む日常動作や、さまざまな作業を簡易なセンサで計測し、どのような行動を行っているかや、スキルを評価するシステムの構築に取り組んでいます。また、運動学習時におけるスキルの上達/後退の数理モデルの構築などに取り組んでいます。 ・ ランニング、ゴルフスイング等スポーツスキルの評価 ・高時間分解能カメラを用いたゴルフクラブフェイスの軌跡推定 ・運動学習における上達/後退に関する数理モデルの構築 など 高時間分解能 ゴルフスウィング軌跡推定法, ゴルフボール飛翔軌道推定のための初期条件計測システム, スウィンングの評価, フェイスの軌跡
知識教育分野: 知識教育分野に関する研究では、主に脳活動の観点から、学習支援のためのシステム構築に取り組んでいます。言語学習支援に関する研究では、英語などの言語学習時の脳活動を計測することにより、言語習熟度の客観的な指標を構築しています。また、記憶の評価に関する研究では、人間が記憶を想起する際に、言語的に想起しているか、非言語(映像、音など)的に想起しているかを判別する研究を行っています。 ・ 言語習熟度による前頭葉脳血流ネットワーク構造の推定 ・記憶における言語想起、非言語想起の分類による教育、ニューロマーケティングへの応用 ・ 色聴覚刺激による絶対音感学習時の脳活動分析 など 言語習熟度の違いにおける脳血流量ネットワーク構造推定, 記憶の想起過程における 言語記憶・非言語記憶の判別, 生体情報を用いた多岐選択問題解答時における確信度の推定, 近赤外分光法を用いた色聴感覚優位性の判別, 言語リスニング中の脳血流ネットワーク, 日本語, 英語
環境評価分野: 環境評価システムに関する研究では、様々な環境の評価に関連した研究に取り組んでいます。例えば、身の回りにある環境において、廃棄されているエネルギーを回収し、再利用するためのエナジーハーベスティングに関する研究や、建設・建築現場における様々な環境(地盤、掘削孔、建築の気密性)を評価する研究に取り組んでいます。また、作業環境における環境刺激(音、香、光など)が、作業者の脳活動へ与える影響の評価などにも取り組んでいます。 ・ LPガス使用時における廃棄エネルギー回収システムの構築 ・ 建設時の掘削地盤の固さ,掘削孔の形状の評価 ・ 香りの種類が脳へ与える影響の分析による、効率的な課題遂行環境構築への応用 など LPガス使用時における廃棄エネルギー回収, 環境由来の嗅覚刺激にロバストな知的作業判別, 建設時の掘削地盤の固さ/掘削孔の形状の評価, 急速載荷試験における杭変位量の推定, セルフ センシング による自動吸換気システム