実際の生産企業における改善に関する研究

実際の生産企業における改善に関する研究

対象分野概説
日本の製造企業は日本独自の生産方式の確立など世界No.1のものづくり力を誇っていました。このころは現場が主体となった改善活動も活発であり、現場には感動的な創意工夫が見られ、現場およびIErを主とするスタッフの改善力には目を見張るものがありました。しかし、新興国の台頭や市場のグローバル化とコスト削減を目的とした工場の海外移転や工程の委託化によって、日本国内の製造企業のものづくり力はかろうじてIEを大切にしている大企業を中心に保持していますが、以前ほど改善で活気ある現場をあまり見かけない気がします。したがって、これからの日本は、世界的競争に勝ち抜くために、生産現場の改善力を高め、改善を開発・販売へと拡大して、全体での生産性向上へと広げていく必要があると考えています。

このような状況の中で、経営工学に対するニーズは高まっていくと考えており、当研究室では、企業のもの造りを基本にして、生産企業での改善、農業経営体での改善、経営工学教育、環境教育、などについて研究しています。生産企業での改善の例では、タッピンねじ締め作業の作業測定装置を開発し、さらに訓練システムを開発し、実際の企業に導入しました。この他にも、モーションキャプチャーによる作業の3DCG化方法を考案および提案するなど、いくつかの生産企業と共同研究を実施しています。農業経営体での改善の例では、コマツナなどの輪作・連作を考慮した作付支援システムを開発して提案しました。

現在進行中の研究
改善手法(もの動きチャート)に関する研究
技能訓練システムに関する研究
周辺視目視検査に関する研究
姿勢評価に関する研究
農業従事者支援システムに関する研究

過去の研究
2017年 人間の視覚メカニズムに基づいた欠点検出補助システムの開発
2017年 目視検査における検査者の注意資源が欠点検出に及ぼす影響に関する研究
2017年 拡大鏡を使用した目視検査工程を対象とした作業改善と作業設計に関する研究
2017年 目視検査における欠点の視認性の定量的評価指標の提案
2017年 触覚検査における判別作業に着目した検査精度の向上に関する研究
2017年 塗装作業における熟練者の動作の特徴を考慮したMR技能訓練システムの開発
2017年 スマートフォン利用時における身体負担警告システムの開発
2017年 並目ねじを用いたねじ締め作業における適切なねじ締め方法の提案
2017年 目視検査作業の身体負担を考慮した適切な作業姿勢と上肢負担推定方法の提案
2017年 自動車運転時におけるステアリング操作の判別方法の考案
2017年 分散圃場における輪作計画支援システムの開発
2017年 モノの動きに着目したレイアウト改善システムの開発と適用
2017年 ウェアラブル端末を用いた農作業記録システムの開発

2016年 農産物の目視検査作業における検出率の向上に関する研究
2016年 目視検査における視線の動きに着目した分析手法の提案
2016年 目視検査における検査対象の複雑性が欠点検出に及ぼす影響に関する研究
2016年 目視検査の新規雇用者を対象とした学習理論に基づいた教育システムの開発
2016年 目視検査における検査対象や欠点の特徴が欠点検出に及ぼす影響に関する研究
2016年 目視検査における人間の視覚メカニズムに基づいた欠点検出サポートシステムの考案
2016年 筋負担と操作力を考慮したステアリングの適切な把持位置および操作方法の提案
2016年 大型製品の組立作業における作業姿勢の推定と作業負担評価法の提案
2016年 目視検査における連続作業時間が身体負担と検査精度に与える影響
2016年 AR(拡張現実)による塗装作業の技能訓練システムの開発
2016年 スマートフォン利用時における姿勢判定システムの開発
2016年 輪作を考慮した作付計画の意思決定支援システムの開発
2016年 新規就農希望者に対する知識習得ツールの開発

2015年 目視検査における欠点の視認性を考慮した作業設計に関する研究
2015年 モノ動き分析システムの開発と適用
2015年 小規模農業におけるコマツナ生産管理システムの開発
2015年 目視検査における欠点の視認性を考慮した作業設計に関する研究
2015年 目視検査における照明と検査対象面のなす角による欠点の検査方法に関する研究
2015年 周辺視目視検査における照度と検査対象面の輝度が欠点検出に及ぼす影響
2015年 目視検査のメカニズムに基づく欠点検出補助システムの開発
2015年 目視検査における検出率向上のための分析手法の提案
2015年 大物多部品製品の組立作業におけるOWAS法に基づく作業姿勢推定法の提案
2015年 スマートフォン保持姿勢における頚部および上肢負担の研究
2015年 能動触における凸検出感度に基づいた欠点検出に有効な触覚検査の条件の提案
2015年 目視検査作業における検査対象物の取り回しが検査精度に与える影響

2014年 周辺視野を活用した目視検査における検査対象面の汚れが欠点検出に及ぼす影響
2014年 目視検査における作業者への教示方法と欠点判別率の関係
2014年 周辺視野を活用した目視検査における照明の明るさが欠点検出に及ぼす影響
2014年 周辺視野を活用した目視検査における欠点の特徴と有効視野の関係
2014年 周辺視野を活用した目視検査における焦点の見せ方が欠点検出に及ぼす影響
2014年 工場の形状と運搬距離を考慮した実用的なレイアウト作成支援システムの開発
2014年 累積グラフを用いた生産企業の問題発見方法の提案
2014年 実機を対象としたキッティングトレーの作成支援システムの改良と実施

2013年 周辺視目視検査法における視点と脳波の関係の導出
2013年 周辺視目視検査の習得のための訓練システムの設計と開発
2013年 目視検査におけるムラ欠点の特徴が欠点検出に及ぼす影響に関する研究
2013年 透明体の目視検査における焦点距離が欠点検出率に及ぼす影響に関する研究
2013年 目視検査における視距離が欠点検出率に及ぼす影響に関する研究
2013年 拡張現実(AR)を用いた感覚運動系作業の技能訓練方法の提案
2013年 暗黙知と形式知の相互変換に着目した作業訓練システムの開発
2013年 モノの流れに注目した工場レイアウトの作成支援システムの開発
2013年 実機を対象としたキッティングトレー作成支援システムの開発
2013年 リサイクル企業におけるメンテナンス製品の請求形態と業務コストに関する研究
2013年 IE改善としての”動きオートメーション”の考案
2013年 累積グラフを用いたリードタイム伸長の原因の評価方法の考案

2012年 治具設計のためのからくりオートメーションの考案と実施
2012年 キッティングトレーの作成支援システムの開発
2012年 塗装作業における熟練者の動作の特徴を考慮した技能訓練システムの開発
2012年 S.L.P.法を用いた工場レイアウトの作成支援システムの開発
2012年 改善活動を活性化させるための手法とシステムの考案
2012年 金属製バイオリン製作における生産性向上の手法の考案
2012年 作業改善案を導出するための分析改善支援システムの開発
2012年 周辺視を用いた目視検査における輻輳角と検出率の関係の検証
2012年 目と脳の機能にもとづいた周辺視目視検査法の訓練システムの開発
2012年 運搬作業における負担軽減の考案

2011年 道具を用いた人手による作業における技能訓練システムの開発
2011年 組立作業における分解作業とキッティングによる作業訓練方法の考案
2011年 周辺視目視検査法の訓練システムの開発
2011年 組立作業における3次元情報を用いた動作分析手法の考案

2010年 旋削加工におけるナレッジ継承方法の提案
2010年 アフターパーツの需要分析と予測手法の開発
2010年 組立作業における治具設計システムの開発と適用
2010年 製品の設計・改善手法の考案
2010年 組立作業の手順習得における分解作業を考慮したキッティングトレーの考案
2010年 塗装作業における動作と品質の変化を捉えた技能分析手法の考案
2010年 製造技術向上のための製品デザイン方法の考案とプロジェクトの実施
2010年 板金工場における生産状況把握システムの改良
2010年 輻輳角を用いた周辺視目視検査の判定方法の考案
2010年 周辺視目視検査の新たな作成手順の提案
2010年 MMチャート分析支援システムの開発
2010年 リユース製品の分解・組立工程のIE的改善

2009年 ものの流れに着目した場内物流の見える化方法の考案
2009年 素材メーカーにおける検査工程の訓練システムの改善
2009年 板金工場における生産工程の見える化手法の開発
2009年 モーションキャプチャーによる作業の3DCG化方法の考案
2009年 視線分析を用いた不良発見方法の定量化
2009年 IE改善としての“ものことオートメーション”の考案と実施
2009年 組立作業における調整作業の改善
2009年 ライフサイクルを考慮したアフターサービスパーツの需要予測方法の再考

2008年 組立工場における工程改善のためのノウハウ抽出
2008年 組立工場における多機能な治具設計アルゴリズムの考案
2008年 ライフサイクルを考慮したアフターサービスパーツの需要予測方法の考案
2008年 板金工場における仕掛在庫の管理方法の提案
2008年 素材工場における釜清掃作業の技能の抽出と教育方法の考案
2008年 プロセス工場における改善のための分析方法の考案

2007年 リサイクル企業における効率的な生産管理方法の考案(修士)
2007年 アフターサービスパーツにおける受注傾向の抽出と適正な発注点の決定方法の考案
2007年 組立工場における検査工程の改善~システムの開発と治具の作製~
2007年 旋盤加工における技能伝承のための訓練方法の開発
2007年 組立作業における治具の設計アルゴリズムの考案
2007年 曲面印刷工場の転写工程における調節作業の定量化の提案
2007年 塗装用固定治具の設計の自動化と共有化治具の設計方法の提案
2007年 曲面印刷工場における目視検査の訓練方法の開発
2007年 多次元データ処理を伴う作業の教育方法に関する研究
2007年 組立作業における習熟期間の推定方法に関する研究

2006年 特殊技能伝承のための訓練方法の開発と実施
2006年 効率的なリサイクルを実現する部品選定方法と分解作業の考案
2006年 改善活動をサポートするための問題会計システムに関する研究
2006年 リサイクル工場における分解・生産管理の改善
2006年 組立作業における要素動作教育を含めた教育ツールの作成方法に関する研究
2006年 分解作業から組立順序を導出する方法に関する研究
2006年 組立作業における作業習熟難易度の測定方法に関する研究

2005年 リユース部品の効果的な目視検査方法に関する研究(修士)
2005年 作業情報を記憶する速さに及ぼす個人特性の抽出方法に関する研究(修士)
2005年 リサイクル工場における分解・生産計画業務の改善
2005年 ライン生産方式と半セル半ライン生産方式の比較評価
2005年 リサイクル工場における分解作業の設計方法
2005年 TERA生産方式の実態に基づいたモデル化
2005年 自動昇降機を用いた搬入作業の適正な作業方法に関する研究
2005年 IE手法を用いた飲食店の業務改善

2004年 組立作業におけるキッティングの効果の検証
2004年 リサイクル工場におけるマイクロオートメーションの提案と実施
2004年 リサイクル企業における工場評価基準の考案
2004年 作業情報の記憶における眼球運動の分析と評価に関する基礎研究
2004年 作業情報を記憶する際に生じる個人差の原因に関する研究
2004年 作業情報の記憶の困難さと部品の特徴との関係に関する基礎研究
2004年 パソコンを利用した作業訓練における提示情報の比較研究

2003年 TERA生産方式の実施における効果の検証
2003年 TERA生産方式モデルのコンピュータを用いた可視化
2003年 組立作業における作業情報の記憶に関する研究
2003年 組立作業における作業手順の指導方法に関する基礎研究-復習方法について-
2003年 パソコンを用いた作業指導における動画の利用に関する基礎研究

この分野の推薦図書
藤田彰久著 『IEの基礎』(建帛社 、1997)
川瀬武志著 『IE問題の解決』(日刊工業新聞社、1995)
金沢孝・松本俊之共著 『現場改善志向の生産情報システム』(日刊工業新聞社、2003)
川瀬武志著 『IE問題の基礎』(日刊工業新聞社、2007)

研究テーマ
バーチャルファクトリーに関する研究